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【Salesforce】標準オブジェクトとは?初心者向けに優しく解説!

2024.2.20

Salesforceとは、Salesforce.com社が提供する統合CRM(Customer Relationship Management)プラットフォームです。
全世界で15万社以上の企業が導入しており、様々な顧客ニーズや変化する社会情勢に対応することができると、日本でも近年さらに注目を集めています。
今回はSalesforceにデフォルトで含まれている「標準オブジェクト」を利用する利点やその種類、オブジェクト同士のリレーションについて、初心者向けに解説していきます。

目次

Salesforceにおけるオブジェクトとは

Objectとは、日本語で”物体”という意味ですが、IT業界では”データの集まり”という意味で使われることがあります。

Salesforceにおける「オブジェクト」は、一言で表すと”データを格納する箱”のことを指します。データベーステーブルやスプレッドシートの代わりに、「オブジェクト」で様々なデータを格納しています。

Salesforceのオブジェクトは、大きく「標準オブジェクト」と「カスタムオブジェクト」の二つに分けられます。

標準オブジェクトとは

Salesforceの標準機能としてあらかじめ用意されたオブジェクトのことを指します。

例えば、取引先の企業情報を管理する「取引先」オブジェクトや、見込み顧客の情報を管理する「リード」オブジェクトなどがあります。

他にも「取引先責任者」オブジェクトや「商談」オブジェクト、「ケース」オブジェクトなど、数多くのオブジェクトが存在します。

カスタムオブジェクトとは

標準オブジェクトとは異なり、ユーザーが自由に作成できるオブジェクトのことを指します。
自社の業種やビジネス用途に合わせて、柔軟にカスタマイズすることができます。

例えば、「求人」オブジェクトを作成し、毎回の求人広告結果 (応募人数や年齢層、地域など)を管理しておくことで、より効果的な求人広告の打ち方の分析などが可能になります。

標準オブジェクト利点

Salesforceを使用していると、自由に設計ができるカスタムオブジェクトを使うことがどうしても多くなってしまいます。

しかし、標準オブジェクトにもさまざまな利点があります。代表的な3つの利点について説明します。

Salesforceの新技術の恩恵を受けられる

Salesforceでは大規模なユーザーリサーチ、マーケットリサーチ、お客様への聞き取り調査を実施し、

膨大な数のユーザーエクスペリエンス、プロジェクトマネージャー、エンジニアリング、品質管理のリソースを投入します。

そして、年3回の新機能開発と自動リリースにより、標準オブジェクトは常に最新の状態に保たれます。

導入にかかる初期投資と継続的投資を削減できる

標準オブジェクトを適切に使用することで、導入した環境を様々なプロセスやニーズに合わせて最適化するための時間と予算を増やすことができます。

テストフェーズ、パイロットフェーズの導入期間を短縮することができるため、ユーザーは受け入れ態勢を容易に整えることができ、生産性や満足度向上にもつながります。

また、標準オブジェクトでは、必要な項目が既に設定されているので、もっと先のフェーズで実施する予定だった項目を、初期の段階で盛り込むことができます。

Salesforceのヘルプやドキュメントなどのリソースが豊富にある

標準オブジェクト内で何か困ったことがあったとき、Salesforceから提供されている豊富なヘルプやドキュメントなどが解決に導いてくれます。

標準オブジェクトの種類

Salesforceでは、多くの標準オブジェクトが存在しています。その中でもよく使用される7つのオブジェクトについてそれぞれの使用用途とともに紹介します。

リード

見込み客の情報を管理するためのオブジェクトです。

例えば、自社にお問い合わせされたお客様や、キャンペーンに応募されたお客様などの情報を管理します。

言い換えると、このオブジェクトは、マーケティングや営業などのアプローチをかけるべき顧客リストのことを指します。

取引先責任者

商談が発生したお客様の情報を管理するためのオブジェクトです。

具体的には、担当者の名前や電話番号、メールアドレス、役職などの情報を管理します。

このオブジェクトは、多くの標準オブジェクトと関連しているため、Salesforceでよく使われる重要なオブジェクトの一つになります。

取引先

取引先に関する情報を管理するためのオブジェクトです。

具体的には、取引先名や住所、取引先番号、業種、Webサイトなどの情報を管理します。

1つの取引先に対して複数の担当者を登録できるため、担当者が複数人いてもスマートに管理することができます。

商談

取引先との間に発生した商談や案件を管理するためのオブジェクトです。

具体的には、商談名や、金額、完了予定日、確度(%)といった情報を管理します。進行中の商談だけでなく、過去の商談も参照することができます。

また、営業担当者が自身の商談内容を社内で共有したり、売り上げの予測を立てたりするのにも役立ちます。

ケース

お客様からのお問い合わせに関する情報を管理するためのオブジェクトです。

具体的には、ケース番号、ステータス、優先度、顧客名、お問い合わせ内容といった情報を管理します。

社内での進捗管理やナレッジの共有を目的として、主にコールセンターなどのカスタマーサポート系の部署で活用されます。

キャンペーン

マーケティングキャンペーンに関する情報を管理するためのオブジェクトです。

具体的には、キャンペーン名、開始日、終了日、予算、タイプなどの情報を管理します。

マーケティング担当者は、このオブジェクトを使用して、各マーケティング活動の管理や費用対効果の分析などを行うことができます。

Todo

ユーザーが行うべきタスクを管理するためのオブジェクトです。

他のオブジェクト(取引先、商談等)と関連付けることができます。
これにより、タスクやスケジュールの管理が容易になります。

標準オブジェクトのリレーション

リレーションとは、オブジェクトを相互にリンクし、関連データを参照できるようにする機能です。
代表的な標準オブジェクトのリレーションは以下のようになっています。

例えば「取引先」オブジェクトには、「取引先責任者」「ケース」「商談」「Todo」オブジェクトと参照関係があります。

各取引先の責任者やお問い合わせに関する情報、進行中の商談などを「取引先」オブジェクト内で確認することができます。

まとめ

Salesforceを使用していると、自分でカスタマイズ可能なカスタムオブジェクトをついつい使いがちになってしまいます。

しかし、記事内でも挙げたように標準オブジェクトには、(自分で実装することなく)はじめから多くの機能がSalesforceより実装されています。

そのため、Salesforceでオブジェクトを作成する際はカスタムオブジェクトを使用する前に、標準オブジェクトで対応可能かを確認することが重要となっております。

今回の記事では標準オブジェクトについて基本的な知識をご紹介させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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